各治療の問題点

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予後を決めるのは 部位・大きさ・浸潤・転移や治療選択がある

がんは発見された時よりも前には戻れません。発見された時にその予後を決める大きな要因は、がんの発生部位、がんの大きさや進達度、また周囲組織への浸潤の度合い、リンパ行性や血行性などの遠隔転移などが予後を決定します。

上記は、がんの性状からの予後ですが、その他に予後に左右するのは治療選択による予後もあります。

医療機関で全ての治療が統一されていないことや、治療薬・治療方針の選択の違いがあることがその要因です。患者さまが自ら選択できるのが後者でありその選択が予後を左右することとなりますので、専門家の意見を聞きながら治療方針を十分に決定する必要があります。

なるべく小さいうちに

がん治療はがんが小さければ小さい程、消滅してくれる可能性が高いことから、検査で見つからないような小さながんのうちに治療することが大切です。転移を疑った場合は積極的に治療を行うことを強くお勧めいたします。

手術の問題点

手術の殆どはがんの根治を目標としていますが、がんの中には、周囲を浸潤し取りきれないもの、手術してみたら遠隔転移していたもの、予想以上にリンパ腺転移が進行していたものなど、患者様によってさまざまなケースが発生します。ここでお話したいのは比較的早期でも再発することがあるということです。

例えば、手術前の検査で転移が小さすぎて見つからなかったものや、手術中の手技による血行転移、取りきったつもりの転移リンパ節の取り残しなどがある事も否めません。

この場合、医師は再発する可能性が非常に低いので術後の抗がん剤などは、正常細胞に副作用などの悪影響を及ぼすことから使用しません。

これは治療選択のミスにも近い予後に大きく作用してしまう要因です。

抗がん剤の問題点

殆どの抗がん剤が遺伝子や細胞分裂に関係しており、細胞を死に誘導します。遺伝子や細胞分裂に作用するので細胞分裂が盛んな正常組織(骨髄など)の増殖も抑制してしまいます。抗がん剤の副作用として一般的に脱毛、吐き気(悪心)、骨髄抑制、口内のただれ、肌荒れなどがあります。

また抗がん剤は細胞膜に作用して機能を発現させるので、がんによっては耐性を示すことがあります。したがって薬剤を変更したり、多剤併用療法をおこなう必要があるのです。
(がん遺伝子治療では、治療タンパクはベクターにより細胞内に運ばれるので、抗がん剤で起こる副作用は起こりません。)

放射線治療の問題点

放射線照射は遺伝子に損傷を与える治療です。正常細胞はその損傷を修復できますが、がん細胞は自己修復が不可能であるため死滅します。

この機序はがん遺伝子治療に類似しているので、がん遺伝子治療は放射線治療の効果を増強させることになります。放射線治療においても、抗がん剤と同じように周囲正常組織への影響や照射範囲の皮膚の火傷などの副作用があることや、照射できる部位とできない部位があります。

がん遺伝子治療の問題点

がん遺伝子治療の、がん抑制遺伝子自体は、正常細胞に存在するものなので抗がん剤や放射線と違い、正常細胞には影響を与えません。したがって持続するような重篤な副作用はありませんが、治療タンパク自体は複合タンパクなので投与直後に異物としての一過性の反応による発熱や血圧低下がみられます。
(反応は6時間以内で解熱剤や軽いステロイドで抑えることが可能です。

また問題点としては、がん遺伝子治療の治療タンパクは、現在、日本において未承認薬ですので、治療費が保険適応外になり高額になってしまいます。

しかし遺伝子治療は、世界動向としては数年以内に世界のいろいろな国で承認され、日本国内においても承認薬として、遺伝子治療薬が保険適用になると考えています。

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