正常細胞とがん細胞の違い

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がん細胞の進行過程

がん細胞は、正常細胞にくらべ細胞の分裂速度が非常に速く(G0期が短い)、アポトーシス(細胞の自殺行為)することがないため無限大に細胞が増殖します。また、正常細胞とは違い周囲組織、血管・リンパ管をも侵略し遠隔転移します。がん細胞単体でも、生存する事が可能であるため遠隔部位でも成長します。

正常細胞 がん細胞
DNAの異変 無い 有る
細胞分裂 する する
細胞速度 普通 速い
アポトーシス 有り 無し
単体生存 出来ない 出来る
転移 しない する
普通 大きい
分化 分化 未分化
糖使用 普通 多い
正常臓器機能 有る 無い
CDC6産生 G1期 少量 全周期 大量

がんは大きく分け、6種類の特性を持っています

自己増殖シグナル
がん遺伝子(※)の作用により自己増殖のシグナルが活性化し増殖スピードを増す。
無限増殖
がん細胞は細胞分裂のとき遺伝子異常が存在しているのに、分裂を止める機能を失ってしまう。その結果分裂が止まらないで無限増殖状態になってしまう。
血管新生
がん細胞が正常細胞より多くのタンパクを作るので、糖を多く必要とする。がん細胞は自ら血管を新生して、多くの栄養を吸収している。またこの作用は、血行性・リンパ行性の転移が多い理由でもある。
細胞死回避
がん細胞では、多くのがん抑制遺伝子の機能が失われているので、細胞の老化や遺伝子異常があっても自己死滅に追い込むことができない。
増殖停止命令回避
細胞分裂において、通常は遺伝子の転写ミスがあるとある種のがん抑制遺伝子が働き、増殖の停止命令を出すが、がん細胞ではがん抑制遺伝子の停止命令を回避して増殖を続ける。
周りへ侵入、他組織転
通常細胞はそれぞれに決められた場所でしか生存できないが、がん細胞は体のどの器官でも生存・増殖することができる。またがん細胞は多くの栄養を必要とするので、自ら周囲組織に浸潤していく。また血管やリンパ管を通じて周辺や遠隔に飛んでその場所で再び生存・増殖する。
※がん遺伝子
がん抑制遺伝子は正常細胞にも存在するが、がん遺伝子は正常細胞には存在しない。がん遺伝子は、ある正常な遺伝子が修飾を受けて、発現・構造・機能に異常をきたし、その結果、正常細胞のがん化を引き起こすようなもののことをいう。このとき、修飾を受ける前の遺伝子をがん原遺伝子 (proto-oncogene) という。
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