がん遺伝子治療とは

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がん抑制遺伝子とは

がん抑制遺伝子は がんの発生を抑制する機能を持つタンパク質(がん抑制タンパク質)をコードする遺伝子である。がんの発生原因は、主に以下の2つがある。

  1. がん抑制遺伝子が 損傷した結果 がん抑制タンパクが作られなくなる。
  2. がん抑制タンパクが他のタンパクと結合して 抑制の機能が阻害される。

がん抑制タンパクが機能しないと

細胞は分裂開始前に遺伝子チェックを行い、遺伝子損傷があると修復してから分裂に入ります。分裂前に修復しきれない量の遺伝子損傷がある場合は自己死滅のスイッチを入れて多くのタンパクを使った経路を通して細胞を死滅させる作用が働きます。(遺伝子異常を後世に伝えないための防御作用)

自滅経路には多くのがん抑制タンパクが関係しています。がん抑制タンパクが機能しないと遺伝子損傷を持ったままの異常細胞が自滅することなく、無限に増殖することとなる。これが、がんの発生です。

がん遺伝子治療・CDC6shRNA

細胞周期とがん抑制遺伝子

細胞周期は、DNAを合成するS期、有糸分裂をするM期に分かれます。細胞が分裂し、DNAの合成が始まるまでをgap1 (G1) といい、DNAの合成が終了し有糸分裂が始まるまでをgap2 (G2) といい、これらはサイクリンとサイクリン依存性キナーゼによって調節されており、これらを監視する系に数多くのがん抑制遺伝子が存在します。

がん遺伝子治療

がん細胞の多くはがん抑制遺伝子またはがん抑制タンパクが欠落しているか正常の機能をはたさなくなっています。がん遺伝子治療は ウイルスベクターなどを使ってがん抑制遺伝子やがん抑制タンパクを体内に導入するものであり、がん細胞が失っている自己自滅へのサイクルを活性化し、サイクルに足りないものを補って、がん細胞自体を死滅の方向に誘導する治療です。

主ながん抑制遺伝子

遺伝子名 主な機能
p53 転写因子
PTEN ホスファターゼ
p16 サイクリン依存性
キナーゼ阻害
RB 細胞周期調節
MSH2 ミスマッチ修復
その他のがん抑制遺伝子

APC CHEK2 SDHD
NF1 Maspin p57KIP2
NF2 p73 PTC
WT1 DPC4(SMAD4) TSC1
VHL MLH1 TSC2
BRCA1 PMS2 EXT1
BRCA2 DCC EXT2


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