一般社団法人 先端医療医薬開発機構

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がんの発生と遺伝子

遺伝子とは

人間のからだは約60兆個の細胞からできています。
細胞は、早いものでは1日、遅いものでも半年ほどで死を迎えます。
人間は60兆個の細胞を維持する為に、日々、死滅した細胞を新しい細胞に入れ替えているのです。

全ての細胞は同一の遺伝子情報を持っています。
遺伝子は生命の設計図とも言えるもので、生まれてから、老いて、死ぬまでの生命活動の情報が組み込まれています。
どのようなタンパク質から、どんな細胞をつくり、どんな組織や臓器を作るかまで、すべてを遺伝子が決定しているのです。

挿絵1

がんの発生と遺伝子

挿絵2 遺伝子は日々、化学物質や大気汚染、紫外線や放射線などの様々な要因で傷ついています。損傷した遺伝子を持つ細胞が分裂・増殖すると、がんなどの疾患の原因となります。
しかし、遺伝子は損傷した部分を自己修復する機能をもっています。さらに、遺伝子の損傷が大きすぎる場合や、損傷に修復が追いつかなくなった場合は、アポトーシスと言われる細胞の自滅により、損傷した遺伝子を持つ細胞が分裂する事を防ぎます。

このアポトーシスに深く関与しているのが、がん抑制遺伝子です。
正常細胞はがん抑制遺伝子を持っているため、遺伝子の自己修復が追いつかなくなっても細胞自体が自滅し、がん化を防ぐ事ができます。
しかし、がん抑制遺伝子を持たないがん細胞が発生すると、無限増殖が始まりがん化してしまいます。

このように、がんの発生と遺伝子には深い因果関係があることから、がんは遺伝子の異常が引き起こす病気と言えます。

がん遺伝子治療は、ウイルスベクターを使ってがん抑制遺伝子をがん細胞に導入し、がん細胞だけを自滅させる極めて画期的ながん治療です。